静脈血栓塞栓症は
こんな病気


病気の原因は?どんな症状が出るの?

病気のポイント」が
4分でわかる!

静脈血栓塞栓症について

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静脈血栓塞栓症は、足から心臓へと血液を戻す血管(静脈)に
血のかたまり(血栓)ができて、血管をふさぐ病気です。

太ももやふくらはぎ(下肢)の深部の静脈に血栓ができる病気を「深部静脈血栓症」、
血栓が下肢から流されて肺に詰まる病気を「肺血栓塞栓症」と呼びます。
関連した病気なので、この2つを合わせて「静脈血栓塞栓症」といいます1)

下肢の静脈や肺で
血栓が詰まる

静脈血栓塞栓症の種類

肺血栓塞栓症 はいけっせんそくせんしょう

血栓が下肢から流されて肺に
詰まる病気です

主な症状 胸の痛み、息苦しさなど

深部静脈血栓塞栓症 しんぶじょうみゃくけっせんしょう

下肢の深部の静脈に血栓ができる病気。
太ももやふくらはぎ全体が
赤黒く腫れたり痛んだりします。

主な症状 足の腫れ、赤くなる、
痛みなど

肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、
治療、予防に関するガイドライン(2017年改訂版)
https://js-phlebology.jp/wp/wp-content/uploads/2019/03/JCS2017_ito_h.pdf( 2021年12月閲覧)

下肢の表面の静脈に血栓ができても大きな問題にはなりませんが、
深部の太い静脈に血栓ができると重症となります。
できた血栓が心臓や肺に流されて、肺の血管に詰まった場合は命の危険につながることもあります。

なぜ血栓が
できてしまうの?


通常、血管の中で血液は固まらないようになっており、万が一、小さな血栓ができても、
身体には自力で血栓を溶かす機能も備わっています。
しかし、長時間同じ姿勢を取り続けることで血流が滞ると、血栓ができやすくなります。
また、手術や骨折などによって血管が傷つくと、
それを直すために血液を固める働きが強くなり、血栓の原因になります。
薬や病気によって、血液が固まりやすくなることもあります2)

血栓ができやすい方

長距離の移動
をされた方
※エコノミークラス症候群
旅行者血栓症など

入院中の方
寝たきりの方

最近手術を受けた方

最近手術を
受けた方

避妊薬など
ホルモン剤を
飲んでいる方

深部静脈血栓塞栓症を
起こしたことがある方

深部静脈血栓塞栓症を
起こしたことがある方

医療情報科学研究所編:病気がみえる vol.2 循環器 第5版:p.364, 2021を参考に作図

このほか、ガンにかかっている方や生まれつき血栓ができやすい体質の方なども、静脈血栓塞栓症になりやすいことが知られています。2)

<出典>
1)肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2017年改訂版)   
https://js-phlebology.jp/wp/wp-content/uploads/2019/03/JCS2017_ito_h.pdf(2021年12月閲覧)
2)医療情報科学研究所編:病気がみえる vol.2 循環器 第5版:p.364, 2021

監修
地方独立行政法人
桑名市総合医療センター 副病院長
三重大学 客員教授
山田 典一 先生